第2回 自己理解

こんにちは。キャリアプラン講座へようこそ。

前回は、これまでの人生を振り返って、その充実度を確認するキャリアチャートを作成しました。

第2回キャリアプラン講座では、自己理解をすることが目的です。

自分の長所や短所、力を発揮できる状況やできない状況、これまでの人生のさまざまな場面での興味や価値観を振り返り、自分自身を理解・認識していきましょう。


自分自身を分析する


キャリアプランニングを行う際にはまず、「自分を知ること(自己の内面分析)」と「外的環境を知ること(自己の状況分析)」が必要です。

「自分を知る」とは、基本的な能力、気質、性格、姿勢、態度、志向、興味、価値観、基本的なスキルなど、さまざまな要素があります。自己の過去の棚卸しを行ったり、アセスメント・ツールを活用して自己概念を明確にしていきます。

同時に、社会、業界、職種と仕事の中身、それぞれの仕事に必要なスキル、人材ニーズ、相場情報、市場性など外的環境から現実を認識します。これらに関しては、アンテナを高くして他からの情報を入手し、活用することも可能です。

自分の価値を発見・認識していくためには、まずは自己を振り返ることから始めます。正しい自己理解なくしてキャリア・プランは成り立ちません。

 ① 興味(いったい自分はどのような仕事がしたいのか)
 ② 価値観(人生や仕事に対して何に価値観を置いているのか)
 ③ 能力(過去・現在のキャリアの棚卸しを通じて、自分の強み弱みはなにか)
 ④ 適性

という観点から分析を行います。分析を行うことで、今まで見えなかった事実や問題点を多く発見することができます。


コンピテンシー


知識や思考力、マインドがどんなに優れていても、それが行動となり、実績につながらなければ評価されないのが現実です。価値あるコンピテンシーを持っていることが求められます。

コンピテンシーとは、「必要十分な能力を有している状態、生活・人生にとって必要で便利な手段に満ちていること」という意味があります。

キャリアの観点からの意味は、「組織やビジョンや戦略を実現するために必要な知識・スキル・態度など必要十分な能力を有していること」といわれています。また、自分の潜在能力と顕在能力を知ることにより自分の価値を高めていくことができるのです。

【三つのコンピテンシー】

・イニシアティブ
目の前に問題がおきたときに、自分でボールを取りに行くような行動特性です。過去に経験のないような問題に直面しても、それを非常に重要な問題だと認識し、自分がイニシアチブをとって関わっていく、ということです。これには、自分の責任の範囲や権限を越えて起こるような問題も含みます。イニシアチブのあるなしの判断は、過去の仕事のやり方、責任の取り方を振り返ってみましょう。実際には、日本のビジネスパーソンの80%くらいは「待ち型」タイプの人間が多いようです。

・アカウンタビリティ
とことん粘って結果を出す、責任を果たすという意味です。他者に先駆けて新しい市場を開拓し、システムや技術を導入しようという段階では、予想もしないような問題が次々と起こります。そのような時、「できない理由」はいくらでも挙げられますが、そうではなく、どうしたらできるかを思考できる人間が欲しいわけです。

・コンティニュアンス・ラーニング
継続して学ぶことです。新しい流れが押し寄せている中でビジネスを行うには、つねに新しい情報や知識が頭に入っていなければなりません。そのためには変化をいち早く察知できるアンテナをもついことです。こうした行動特性は強いパッションがあればおのずと内側から出てきます。例えば、休日でも自宅で新しい技術を検証したり、おもしろそうな勉強会に参加したり、ということができる人材であれば対応策を講じることができるでしょう。


自己イメージのチェック


経済学におけるキャリア論の大御所ともいえるMITのエドガー・シャインは、次の三つの問いによって内省することが、キャリアについて考える基盤を提供するといっています。

 ① 自分はなにが得意か

 ② 自分はいったいなにをやりたいのか

 ③ どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるか


他の人がどう思っているかではなく、自分が自分をどのようにちらえているか、考えてみましょう。

これらの三つの問いは、それぞれの自己イメージの三つの側面を照らしています。
 (1)能力・才能についての自己イメージ
 (2)動機・欲求についての自己イメージ
 (3)意味・価値についての自己イメージ

自己イメージとは、自分についての主観的な理解です。


自分についていったい何をしっているか


キャリアの研究をリードしてきたもう一人の学者、米国サフォーク大学のマイケル・アーサーは、次の三つの問いかけがキャリアの内省には大事だと主張してきました。

 ① 自分ならではの強みはどこにあるか

 ② 自分があることをしたいとき、それをしたいのはなぜか

 ③ 自分はこれまでだれとつながり、その関係をどのように生かしてきたか



これらはそれぞれ、
 (1)知識と技能
 (2)自分ならではのアイデンティティや信念、仕事の場に持ち込むモチベーション
 (3)対人ネットワーク
に関連しています。


自分のトップ3を書き出してみよう!


それでは、ライフデザインシートを使って、自分の長所や短所を見つめなおし、自分が能力を発揮したり、できなかったりする状況や態度を確認してみましょう。

自分自身を知るために、さまざまな「自分のトップ3」を記入してみてください。
ポジティブ
ネガティブ

長所・短所を把握しておけば、自分がどんなときにポジティブになるかネガティブになるか、ネガティブなときにはどうすればポジティブになれるのかという判断や行動が容易になります。


過去の歩みを意味づける


自分の過去を振り返って、なにかうまくいかなかったのか、過去の歩みを意味づけないと、なかなか将来は見えてきません。"轍"は、振り返らないと見えてこないものなのです。
時には、立ち止まって、来し方を振り返ってみましょう。

キャリア・プランというと、これからの計画をして自分なりに切り拓くというイメージかもしれませんが、これまでの歩みを意味づけるだけで、将来が見えてくるという点も大事なのです。


ライフステージチェックを記入してみよう!


それでは、過去の経験による棚卸しをしていきます。
ライフデザインシートの「ライフステージチェック」を記入してみましょう。
ライフステージ

学生時代や進入社員の頃、何に興味があったり、感動したり、満足していたのでしょうか。
また、失敗や挫折から学んだこともあったはずです。時系列に今までの経験を思い出して記入してみましょう。


主な出来事:
印象に残っていることは、自分の価値観と深く関係があります。

興味があったこと:
ことがらだけでなく、なぜ興味をもったのか、あるいはなぜ興味を失ったのかを考えます。
これは、志向性と深い関係があります。

仕事に関すること:
仕事上で印象に残っていること、またどんな仕事に興味があったか、あこがれた職業なども書いてみます。
例えば、学校や会社を選択したときの理由や、他の選択肢はなんだったのかなども考えてみると良いでしょう。
特に、最初の就職で考察したことは、後々の節目をくぐるときに大きな意味を持ってくるものです。

人間関係:
そのような人とどのような関わりをもってきたかを書き出してみます。
プライベートで、職場で、他のサークル活動でさまざまな集団の中での自分の関わりを考えてみるとよいでしょう。


ジョハリの窓


ジョハリの窓とは、人間の内側に存在する領域を分類するものとして、心理学者のジョセフ・ルフトとハリー・インガムが考え出したものです。
ジョハリの窓

開かれた窓:
他人も自分も十分理解している側面です。
自他ともに認める「自分」であり、自分が今なにを考え、どのような気持ちでいるのか、何をしたいと思っているのか、が自分にも他人にもよく分かるという開かれた領域です。

秘密の窓:
自分だけは知っているが、他人には意識的に隠して気付かれないようにしている側面です。人間は自分の弱点に気付きつつも、なるべくそれを隠しておこうとする傾向があります。その部分が外部に対して閉ざされた領域になります。

盲点の窓:
自分は気づいていないのに、他人だけがよく知っているという側面です。自分の考えや意図が相手に正確に伝わらないとうのは、それらが他人の視点では自分の視点と異なった映り方をする領域が存在していることに起因することが、少なからずあるのです。

暗黒の窓:
自分にも他人にもわかっていない未知の側面です。ここには無意識や潜在的な能力、願望などが含まれますが、紛れもなく自分自身を構成している領域なのです。


【 開かれた窓の拡大 】
開かれた窓の拡大

自分を客観的に理解し、それを正確に他者に伝えることが自己理解には重要な要素となります。そのためには、①の開かれた窓を大きくし、④の暗黒の窓を小さくすることで、「自分が知っている自分」と「他人が知っている自分」のギャップを解消していきます。

具体的には、自分のことを積極的に話して自己開示することで②の秘密の窓を理解してもらう方法と、他人から自分はどにように見えているかのフィードバックをもらうことで③の盲点の窓を自身が認識し理解する方法が考えられます。

開かれた窓を拡大することで、より適格な自己理解に近づくことが可能となります。


お疲れ様でした!


第2回 キャリアプラン講座では、自己理解をするために、「自分のトップ3」と「ライフステージチェック」を記入してみました。

いかがでしたか?


「本当に自分はいったい何をしたいのか」
じっくりと考えるためには、三日間は考え続ける必要があるという学者もいます。
考えることがたくさんあって、今回の講座も疲れたこととおもいます。
お疲れ様でした。

さて、次回の第3回 キャリアプラン講座は、人材ネットワークがテーマです。


お楽しみに。


それでは、また。 ごきげんよう!

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