第4回 キャリアの棚卸し

こんにちは。キャリアプラン講座へようこそ。

前回は、「人材ネットワークチェック」をすることで、キャリア形成にか欠かすことのできない人脈の大切さを再確認し、いかにしてその財産を育てていくのか学習しました。

第4回キャリアプラン講座では、自分のスキルやこれまでの職歴をチェックし、いわゆる"キャリアの棚卸し"をしてみましょう。

毎年一回は、「ネットワーク」「スキル」「職歴」の棚卸しをしましょう。一年前に比べて、新しい人脈が広がっているか、新しいスキルが身についているか、仕事の内容は進化しているか、チェックすることは、キャリア構築の上で大変重要になります。


スキルの棚卸し


あなたの得意な能力、仕事で勝負できる能力はなんですか?
今年一年で新しく見つかった能力はあるでしょうか。自分のいままでの能力の中で、さらに深まっていったものはありますか。

新しい能力は、努力して身につけた能力であったり、強い意志によって得た能力であったりするかもしれません。あなたの得た新しい能力はどちらでしょうか。過去一年間との違いを検証してみてください。


必須能力と得意能力


能力やスキルという言葉の意味を、もう少し掘り下げてみましょう。
能力は、動機とは違い、18歳で固まってしまうようなものではありません。能力にはありとあらゆるものがあります。そのなかの大多数のものは、これからのキャリアで十分身につけることが可能です。

さまざまな能力を身につけるとき、動機に裏づけされた"心の声"によって支えられていれば、チャンスを与えられるだけで、その人の能力は自然と結びついていきます。ところが、どんなにその人の"心の声"に支えられた能力があったとしても、その能力を具体的に発揮するチャンスが一度もなく封印されたままであれば、能力が表面化することはありません。ポテンシャルで終わってしまいます。

自分の仕事に必要とされる能力、いわゆる「必須能力」はたくさんあるでしょう。その能力すべてが人並み以上に高い満点の能力であることが理想ですが、スーパーマンでもない限り現実的には難しいことです。すべてを満点に高めようとする努力も、力が分散されてしまうことで、どれも平均点!ということにもなりかねません。

このように考えると、仕事で必要とされる必須能力の中で、人よりも能力がスバ抜けて高い、いわゆる「勝負能力」というのは、一つか二つあれば良いでしょう。その他の必須能力は、平均点レベルで十分です。

能力開発において、必須能力として確保すべき能力と、競争上の優位性の根源として使いたい勝負能力は、区別して考えたほうが良さそうです。

自分が得意であって仕事の成果に直結する勝負能力は、常に磨き上げ、そのレパートリーを増やし続けていかなければ、そのいくつかは五年後には世の中の環境が変わって、陳腐化している可能性があります。ですから、つねに勝負能力を新しく、さらにもう一つ付け加えていく努力も必要です。どれだけ新しい能力を発掘してきたのか、発掘しようとしてきたのかを毎年問い直してみましょう。

キャリアの幅を広げる能力開発と、キャリアの一定部分の深さを求める能力開発のバランスが大切です。

自分の能力を高めるには、新しい仕事、新しい仕事の進め方、新しい課題などにチャレンジすることが重要です。いままでの仕事でも、新しい方法でアプローチしてみると意外な自分のポテンシャルが見つかるかもしれません
新しい課題にチャレンジすれば、新しいスキルが発掘される可能性もあります。


キャリア形成のために必要なスキル


一般的に、職業能力を構成するものとしては、①健康、②常識、③職業上の知識や情報、④技術や技能、⑤経験、⑥意欲などが挙げられます。しかし、個々の能力のレベルやどのようなバランスがよいかはケースバイケースです。業種や職種によって、またその企業風土によって求められる能力は当然違ってきますし、人間関係も大きく影響してきます。

上記以外にもコミュニケーション能力やネットワーク力、問題解決能力、プレゼンテーション能力も必要とされるでしょう。

また、スキルや能力の活かし方も、人それぞれです。例えば、人を引っ張っていくリーダーシップ力の重要なビジネススキルの一つですが、そのあり方は三者三様です。明確に自分の目標を語り組織内外の人をぐいぐいと引っ張っていくタイプの人もいれば、なんとなく回りの人たちが助けたくなるようなキャラクターで成功している人もいます。

共通しているのは、その人がどんなキャラクターにしろ、仕事の状況に応じて今重要なことは何かという課題設定ができることです。そして、優先順位を考え、方向性を決め、その実現の方法を考えます。これらの流れを、どれだけの人や組織に理解してもらいながら実行するか、周囲の強力を得ながら適切にマネジメントする力を持っているか、ということが重要なのです。


エンプロイアビリティ


エンプロイアビリティとは、一般的には「雇用される能力」といわれますが、日本経営団体者連盟は、「労働移動を可能にする能力」と「該当企業の中で発揮され、継続的に雇用されことを可能にする能力」を加えた能力としています。これは、今所属している企業内で求められている能力があるかどうかだけではなくて、社外に出ても通用するかどうか、とい能力のことです。雇用流動化の時代においては、「労働移動を可能にする能力」が求められていることは言うまでもありません。

企業も変化や変革を必要としている時代には、一元的な社内の価値だけでは人材の評価はできなくなってきています。必要なことは、特定のスキルを追求というよりも、変化に伴っていかに行動し、どういうスキルを身につけていけばよいか、という変化に対応するスキルなのです。

時代に応じて必要とされる人材は変化していきます。市場価値の高いキャリアをつけていくためには、自分自身で考える力をつけていくことが必要だとされています。

<参考:企業が求める人材像>
1.目標に向かって意欲的に行動する人...(79.7%)
2.自らが問題形成し提案できる人...(64.4%)
3.状況の変化に柔軟に対応できる人...(64.4%)
4.社外にも通用する高い専門性を持っている人...(53.7%)
5.広い視野でものごとをとらえられる人...(50.9%)
6.未知なものへのチャレンジ精神をもっている人...(43.8%)
7.自立的に仕事を進められる人...(43.8%)
8.上位者に対して自らの意思・戦略を明確に出せる人...(38.3%)
9.個性豊かで創造性を発揮できる人...(33.1%)
10.情報に対する感受性が強い人...(31.3%)
11.事業家(起業家)的マインドが高い人...(26.3%)
12.与えられた課題を確実に遂行できる人...(26.3%)
13.一分野にとらわれることなく多面的に精通している人...(20.6%)
14.社内外に多くの人的ネットワークをもっている人...(18.9%)
15.伝統や前例にとらわれない人...(17.8%)
16.ものごとを論理的にとらえられる人...(17.1%)
17.効率を重視するひと...(14.6%)
18.人間関係を大切にする人...(13.2%)
19.一生懸命に仕事をする人...(11.4%)
20.無回答...(0.4%)
出展:「21世紀の人事管理に関する調査」リクルートHRD研究所


基本的スキル


仕事に必要なスキルを考えるというと、資格として証明できる分かりやすいもの以外は、客観的には判断しにくいものです。
しかし、目に見えるもの以外のスキルもたくさんあります。そういったスキルを考えるうえで、次のようなスキルの分類法があります。

テクニカルスキル:
いわゆる定型業務能力のことをいいます。職務に関する専門知識や語学力、事務処理能力など、正確性や迅速性が求められます。

ヒューマンスキル:
いわゆる対人関係能力のことをいいます。接客、営業、リーダーシップ、コミュニケーション能力など、相手のニーズや状況に応じて対応できることが求められます。

コンセプチュアルスキル:
物事を大局的に読み取る能力、「考える力」をいいます。問題解決能力、状況判断力、洞察力、戦略立案能力など論理的・体系的に把握できることが求められます。


スキルチェックをしてみよう!


現有スキルを把握することは、今後の能力開発の基礎データとなります。仕事に必要なスキルというと、一般的にはパソコンや簿記、語学などの資格がイメージされやすいものです。しかし、実際の仕事の大部分は、コミュニケーション力やリーダーシップ力などソフトスキルに基づいて遂行されています。

これらは、必ずしも業務を通じてのみ獲得されるものではなく、日常生活の中で研鑽されて身に付くものです。最近よく使われる分類方法を利用したシートを活用して、客観的かつ肯定的に自分のスキルをチェックしてみましょう。

それでは、ライフデザインシートの「スキルチェックシート」を記入してみましょう。
スキルチェックシート


仕事内容の棚卸し


スキルと同様に、仕事内容についても、棚卸しが必要です。一年前に比べて、自分の仕事そのものが進化していますか?

同じ仕事を、同じような方法で、同じ能力を使って行っていては駄目です。新しい仕事、新しい課題、新しい能力、新しいアプローチ、新しい方法論、なんでもよいのですが、一年前と比べて仕事そのものがどれだけ進化しているのか検証しましょう。

もし一年前と同じ仕事を同じようにようにしかやっていないとすれば、新しい自分のポテンシャルに気づくチャンスは、ほとんどゼロに近かったことになります。
自分の新しいポテンシャルは、新しいことにチャレンジし続け、試行錯誤をするなかでわかってきます。

つねに新しいことにチャレンジするなかで、新しい自分、新しい自分らしさ、新しい得意能力を探し続けることが重要です。

いま持っている特定の資格や経験に固執し、守りの姿勢ばかりでは、もうそこから先の新しいポテンシャルに気づくチャンスを、自ら断ち切っていると言えるでしょう。

むしろ新しいことにチャレンジして、自分の意外な新しい能力を発掘することを、継続して行うべきです。とくに変化の激しい時代では、新しい能力開発をずっと続けていかなければ、キャリアの陳腐化、スキルの陳腐化というリスクが高くなってしまいます。

仕事を進化させることが非常に重要であると理解しましょう。


職歴の棚卸しをしてみよう!


それでは、ライフデザインシートの「キャリアチェックシート」を記入してみましょう。

職歴の棚卸しは、「自分ができること」「できるようになったこと」を再確認するための大切なステップです。

ここでは、社会人になってからの仕事の内容を、いつ、どこで、何を、どのように、行ってきたかを時系列的にできるだけ詳しく書き出します。

自分が今まで所属してきた事業所、業種、職種、部署、職務内容などを詳しく思い出し、それから得られた経験や実績、技能や知識を洗い出します。

どのような仕事であっても、必ず目的、過程、結果があります。その仕事によって得られた経験が、現在のキャリアにどのように結びついているかを意識して整理することが大切です。

表向きの肩書きや役割だけでなく、実際に任されていた責任の範囲から、そのとき果たしていた自分の本当の役割を考えます。また、その仕事の志向性も重要なポイントです。
キャリアチェック

<職種と職務内容の分類表>
【人事・労務】
給与計算実務 就業規則 給与・報酬制度 人事評価 採用業務 人員計画 人事制度 教育研修企画 能力開発 労務管理業務 労使関係調整制度 福利厚生制度
【総務】
社内管理規定 社外対応策 リスクマネジメント対策 株式実務 株主総会運営 設備管理 資産管理・減価償却業務
【経理・財務】
仕訳業務 財務諸表作成 連結決算実務 原価計算実務 法人税処理 国際会計実務 資金調達 資金運用 年金・保険数理業務 予算管理
【法務】
労働関係法務 税務関連法務 知的財産権関連法務 契約・担保管理法務 不動産管理法務 債権回収法務 製造関連法務 営業関連法務 国際法務 会社設立関連法務 株式公開法務
【広報】
社内広報業務 社外広報業務 パブリシティ業務 IR実務 広報計画 広告計画 広告倫理業務
【経営企画】
経営戦略策定 経営戦略遂行・統制 経営管理手法設計 経営理念・ビジョン 企業評価業務 新規事業立案 経営革新戦略
【マーケティング・営業】
市場分析業務 マーケティング戦略 ブランド戦略立案 価格設定政策 流通経路戦略 チャネル戦略 店舗戦略 販売促進計画 商品開発 営業管理体制 顧客管理業務 新規顧客開拓業務
【生産管理・商品管理】
生産システム業務 生産計画 作業工程管理 設計管理業務 工場経営計画 物流システム設計 運搬システム 設備保全 在庫管理業務 仕入業務 品質管理 納期管理
【情報管理】
システム設計・構築 業務アプリケーション設計・構築 システム運用管理 ネットワーク管理 データベース管理
【技術開発】
新技術研究・開発 新製品企画・開発 製品設計 製品製造 製品試験・検査 製造技術研究・開発 生産設備設計


お疲れ様でした!


第4回 キャリアプラン講座では、スキルや職歴をチェックする事でキャリアの棚卸しをしてみました。

いかがでしたか?


キャリアの棚卸しは、現状分析の最後のステップですが、職業や職務を選択する上でも重要となります。

さて、次回の第5回 キャリアプラン講座は、いよいよキャリアビジョンについて考えてみます。


お楽しみに。


それでは、また。 ごきげんよう!

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