第5回 キャリアビジョン

こんにちは。キャリアプラン講座へようこそ。

前回は、「キャリアの棚卸し」を行いました。
自分とキャリアを見つめなおす現状分析のフェーズが、これによって終了したといえます。


第5回キャリアプラン講座では、キャリアビジョンを作成し、目標設定をしてみましょう。

なりたい自分になるために、ゴールを明確にし、その目的に向かって進んでゆくためのアクションプランを作成します。

そして、キャリアをデザインするという考え方を学んでゆきます。


マズローの欲求段階説


マズローの欲求段階説、ご存知ですか?
心理学者のアブラハム・マズローは、人間の衝動・動機・欲求それ自体を良いものと捉え、基本的な欲求は並列的ではなく階層的に存在していると考えました。

「人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、底辺から始まって1段階目の欲求が満たされると、さらに高次の欲求を志す」という欲求段階説です。

この基本的な五つの欲求を満たすことができれば、人間はますます成長し心理的に健康になっていくと考えられています。
マズローの欲求段階説

自己実現の欲求は、自己の潜在能力や可能性を最大限に発揮し、創造的活動を行い自己の成長を図って何かを成し遂げたいという欲求です。就職の目的が自己実現の手段であると考える人にとっては、自己実現を達成するために最も適した就職先を探すということは重要な課題です。

しかし、実際には自分がしてきた仕事に対してどのような欲求を持っているかで、職業選択のありかたは大きく変わってきます。

必ずしも誰においても職業選択が自己実現の手段というわけではなく、安全の欲求を充足する観点から経済的不安を取り除きたいという場合もあれば、企業組織の中で他人に認められたいという欲求が強いこともあるのです。

自分の職業・職務選択における目的意識を明瞭にして、その仕事に求める最終的な目標(満たすべき欲求)を事前に把握しておくことが、職業選択に大きな影響を与えることを理解しておきましょう。


キャリア・ビジョン


自分が実現したいキャリア・ゴールを計画する前に、ビジョン(めざす姿)を明確にしましょう。今までの棚卸しから、こだわりたい行動規範や価値観、資産を見つめなおして、どんな人生が送りたいのか、自分にとっての人生の大きなビジョンが見えてきます。

環境変化の激しい時代に、先のことは分からないと言われるかもしれません。しかし、環境変化の激しい時代だからこそ、表面的な現象に惑わされることなく「将来のめざす姿」を明確に描き、中長期的な視点でキャリアを考える必要があるのです。

環境の変化に対しては、正しい予測が立てられることが大切です。詳しい予測ではなく、本質を見極めることが必要です。例えば、今起きている環境変化が、サイクル的なもので元に戻る可能性があるのか、一方的で元には戻らないかを判断できるか、あるいは、スピードはどれくらいなのかなどを冷静に見極めることが大切です。

また、さきほどの現状分析を一つの現象としてとらえるのではなく、それを生み出す背景は何かを考えてみることも大切です。


キャリアに方向感覚を持ちましょう。


どこにむかっているのかわからなかったら、おそらくどこか違うところに辿り着いてしまうでしょう。
キャリアの方向づけに関して、「不思議の国のアリス」からの一節を紹介します。

(アリスは、ネコにつぎのように尋ねた)
「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか、教えていただきたいんですけど」
「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」とネコの答え
「何処だっていいんですけど・・・」
「そんなら、どの道だってかまわんだろ」
「・・・どこかへ行きつけさえすればね」アリスがいいそえると、ネコはネコで
「あっ、そりゃ行きつけらあ。ちゃんと歩きつづけて行きさえすりゃあね」
そりゃ当然じゃないの、とアリスは思い、こんどはほかのことをきいてみることにした。


あなたのキャリア・アンカーは?


エドガー・シャインは、長期的な職業生活において「その人の拠りどころとなるもの」が大切だとし、船の「錨」に例えて、これを"キャリア・アンカー"という概念にまとめました。

キャリア・アンカーとは、「あなたがどうしても犠牲にしたくない、またあなたのほんとうの自己を象徴する、コンピタンス(訳注:有能さや成果を生み出す能力)や動機、価値観について、自分が認識していることが複合的に組み合わさったもの」と定義されています。

この自分のアンカーを知っておかなければ、報酬や肩書きなどの誘惑によって、自分らしくない就職や転職をしてしまい、ひいてはそれがキャリアに対する不満につながることもあるされています。

シャインは、キャリア・アンカーを8種類に分類してます。自分のキャリア・アンカーについて考えて見ましょう。

専門コンピタンス:
企画、販売、人事、エンジニアリングなど特定の分野で能力を発揮することに幸せを感じる

経営コンピタンス:
組織内の機能を相互に結びつけ、対人関係を処理し、集団を統率する能力や権限を行使する能力を発揮し、組織の期待に答えることに幸せを感じる

安定:
仕事の満足感、雇用保障、年金、退職手当など経済的安定を得ること。ひとつの組織に勤務し、組織への忠誠や献身などがみられる

起業家的創造性:
新しいものを作り出すこと、障害を乗り越える能力と意気込み、リスクをおそれずに何かを達成すること、達成したものが自分の努力によるものだという欲求が原動力

自律(自立):
組織のルールや規制に縛られず、自分のやり方で仕事を進めていく。組織に属している場合、仕事のペースを自分の裁量で自由に決めることを望む

社会への貢献:
暮らしやすい社会の実現、他社の救済、教育など価値あることを成し遂げること。転職してでも自分の関心のある分野で仕事をする機会を求める

全体性と調和:
個人的な欲求、家族の願望、自分の仕事のバランスや調整に力をいれる。自分のライフワークをまとめたいと考えている。それができるような仕事を考える。

チャレンジ:
解決困難に見える問題や解決の手ごわい相手に打ち勝とうとする。知力、人との競争にやりがいを感じる。目新しさ、変化、難しさが目的になる。


キャリア・ゴールは柔軟に考えましょう


キャリア構築のプロセスにおいて、自分らしさが、具体的にどのような職業で、どんな風に発揮されて、どういった成果に結びつくかは、実際にやってみないと分からない場合があります。

一方で、世の中の職業そのものもどんどん変わっています。同じ職業でも20年前に求められていた能力や期待・役割が、いまでは全く違ってしまったものがたくさんあります。新しい職業そのものもどんどん出てきています。あるいは、昔あこがれた職業でも、今後必要がなくなり、採用がほとんど行われなくなっている職業もあります。

そのような意味で、一度決めたゴールに固執することなく、時代の変化や自分の成長に臨機応変に対応し、柔軟に考えたほうが良さそうです。

ゴールがすべてではなく、日々の仕事において、柔軟で前向きに、自分なりのポリシーや考え方で、つねに新しいことにチャレンジし続けるというワークスタイルをとっている人が、結果としてキャリアの満足度あるいは仕事の充実感が高まっていることも事実です。

新しい仕事の方法を考え、自分なりの考えをもって仕事に取り組み、多くの人とのネットワークを構築するようなワークスタイルを積極的にとってきた結果として、成果もあがり、人脈も広がり、スキルも身につくのです。


キャリアをドリフトすることも大切


ドリフトとは、"流される"という意味です。これはちょうど、"デザイン"の反対の意味となります。

キャリアをドリフトするというと、流されるままに、まるでくらげのように生きていくという意味になります。しかし、興味深いことに、ドリフトという言葉には、推進力や威力というパワーにかかわる意味や、「話の骨子・趣旨」という味わいのある意味もあります。

逆説的ですが、キャリアはデザインしすぎないほうがよいという考え方もあります。デザインされたものは、ある意味「人工的」なものであり、自然なものではありません。デザインされた、つまり、予め計画的に決められたキャリアを進むよりも、「ケセラセラ」という気持ちで自然に生きているほうが人間らしい、といえなくもないでしょう。

時には流れに身をまかし、思いがけない良いものに出会い、偶然を生かすには、むしろすべてを型にはめてしまうようなデザインはしないほうがよいでしょう。

人生は何が起こるかわかりません。偶然性や不確実性を楽しむくらいの余裕は持つべきと思います。

自分でデザインしたことが、壁となって行動範囲を狭くし、選択肢を少なくしてしまうことがないように気をつけましょう。


キャリアをデザインするという発想


とはいえ、たった一回限りの人生やキャリアの全体を、自然な流れにずっと身を任せっぱなしにはできません。

大きな方向づけや、夢や抱負は必要です。どんな人生を歩みたいか、どのようなキャリアにしたいのか、大きなビジョンを考えることは大切なことです。

特に、就職,昇進,異動,出向,転職,独立,起業,退職,セカンドライフなど、人生の節目においては、キャリアをしっかりとデザインし、キャリアプランを作成しましょう。


アクションプラン


アクションプランとは、自分の価値観やビジョンを大切に、キャリア・ゴールに向かって具体的な目標となる地点を設定して、そのためにどのような行動を起こすかをプランニングすることです。

自分自身の企画書と考え、自分のキャリア・ビジョンから、その目標達成のために今から身につけなくてはならないことは何かを探して、具体的なプランを組み立てます。
人生の転機、あらゆる可能性を想定してプランニングします。自分の強みを活かせるように優先順位を考え、環境を整える、あるいは、質の高い人脈づくりをすることも必要になります。


キャリアビジョンとライフプランを作成しよう!


それでは、ライフデザインシートのキャリアプランとライフプランを書いてみましょう。

現在と1年後、5年後、10年後、20年後の漠然としたキャリアプランを書くには、次のようなことを考えて、書いてみてください。

・5年後の理想のライフスタイル(家庭人間、会社人間、社会人間、自然人間など)は?
・5年後の仕事は?生涯現役を目指しますか?
・5年後の収入は?
・5年後のプライベートライフ(家庭生活、趣味、ボランティア、生涯学習など)は?

それを実現する可能性はいま何パーセントか?そのためにいま何を努力しているか?

キャリアプラン

キャリア・ゴール

キャリアプランは、家庭や家族、教育、余暇活動などに関する事柄から切り離して考えるとは不可能です。仕事とプライベートライフのバランスが必要です。

それを考えた上で、今偶然の掘り出し物に出会うためにも、その為に必要なアクションを起こすのです。目標達成のためにやらなければならないタスク、それを遂行するのに必要な時間、手順、それを達成するまでの過程で想定できる他者との関係、目標期日などをこの段階で認識できるようにします。さらに、目標が達成させた場合に期待される結果、成果まで意識してみましょう。

計画を立てていく段階で、「自分が立てた複数の目標が相互にあっていない」あるいは「内部的な一貫性を深めるために修正が必要」などということが見えてくることもあります。それらの調整を行うことが大切です。

そして、目標達成のためにする自分の行動をできるだけ具体的に考えましょう。アクションプランには、目に見える目標値と、いつまでという期日を必ず記入すると良いでしょう。少し背伸びをすれば実現可能な範囲の行動を考えることも重要です。


アクションプラン作成のシートは、ライフデザインシートのトップメニューからいくことができます。
アクションプラン

キャリアプランを実現するために、いまから具体的になにをするのか、記入してみましょう。アクションリスト(&ToDoリスト)は、必要なときに記入し、実施・評価につなげてください。


方策実行・評価


選択した結果は歩いてみなければわからないものです。その結果、プランの変更が必要な場合も出てきます。そうでなくとも、自分自身の企画書は定期的に見直しを行うことが大切です。

自分で作成したプランです。自分でマネジメントして計画・行動・評価・改善のサイクルを回し、自律的なキャリアを構築していきましょう。

自立自走を目指し、そのために「自立の精神を持っていること」、「一人称で考えていること」、そして、「前向きに考えられること」が基本となります。


最後に


なりたい自分をイメージできましたか。

夢を抱くことができたでしょうか。

そうであれば、最後の言葉を送ります。

それは、

目の前の仕事に真剣に取り組むこと。

いい仕事をしたと思える素直な気持ち。

これらを大切にしながら、

元気に行動しましょう!


おめでとうございます!!


キャリアプラン講座は終了です。

どうもありがとうございました。

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