第5回 ファイナンス目標  ~ 豊かな老後に向けての準備 ~

こんにちは。ライフプラン講座へようこそ。

前回は、「キャッシュフロー表」を作成しました。
家計の現状を把握し、将来の長期資金計画が出来上がったことと思います。

計画が出来上がったら、あとは実行あるのみです。


第5回ライフプラン講座では、これまでとちょっとテーマを変えて"お金"についての勉強していきます。

「お金持ち」というのは、文字通り「お金を持っている人」、つまり、「お金を持ち続けられる人」という意味です。

実は、お金を持ち続ける能力は、たくさんのお金を稼ぐ能力とは別のものなのです。

日本の教育のおいては、このファイナンシャル教育がさなれていません。それを少しでも補うのが、第5回ライフプラン講座の目的です。


ファイナンシャル教育


ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん 貧乏父さん」は、もう読まれましたか?

同シリーズの「金持ち父さんの子供はみんな天才 ― 親だからできるお金の教育」では、生涯学習の大切さと、それら教育の三つの分類が紹介されています。

1)学問的教育
読み書き計算の能力をつける教育。

2)職業的教育
IT技術者、弁護士、医者、秘書など、学校を卒業したあと、生計を立てたいと思う職業に就くための教育。

3)ファイナンシャル教育
稼いだお金を持ち続け、経済的な安定に変えるために必要な教育。
職業を通じて稼いだお金を、一生持ち続けられる富、経済的な安定に変えるために必要。ファイナンシャル教育は、子供が大人になって経済的に困らないため、また、家族を養い、何十年も働いたあと、お金に困る孤独な生活を送らないですむための手伝いをする。

「お金持ち」とは、読んで字のごとく、お金を持つ人。つまり、お金を持つ能力がある人のことです。

ファイナンシャルリテラシーは、お金を稼ぐためではなく、お金を持ち続けるために必要なスキルです。


お金の三つの役割


そもそも、お金は何のためにあるのでしょうか?
お金の三つの役割について、もういちど再確認してみましょう。

1)価値を測るための尺度
リンゴの値段。学校の授業料。電車賃、などなど。モノやサービスには値段がついています。この、"いくら"という基準は、お金で換算されます。お金が尺度として使われているのです。

2)何かと交換する手段
モノやサービスを買うときにお金を払う事で手に入れることができますね。お金が、モノやサービスの対価として交換されるのです。

3)価値を貯蓄する手段
労働で得た収入をその場ですぐに消費しなければならないといたら、計画的な生活はできません。まさに「その日暮らし」の生活になってしまいます。

お金という概念ができたことによって、"すぐに消費しなくてもよい"という自由を手に入れたのは、大きな意義があります。


お金の価値は一定ではない


お金を"価値を貯蓄する手段"として使う場合、お金をすぐに消費しないことで、ある問題が発生します。それは、お金の価値は時間(時代)とともに変わるということです。

1957年に、電車の初乗りは運賃10円でした。
ファイナンシャル教育1

それが2000年には、初乗り運賃が130円になっています。
ファイナンシャル教育2

「物価が上がった」という言い方をしますが、見方を変えると、お金の価値が一定ではないということができます。

基本的に、長~い目で見ると、国の経済は発展しています。ということは、お金の価値は下がってゆくのです。

企業の経営努力や経済のグローバル化によって、"モノ"の価格は昔よりも下がりました。いわゆる資産デフレというものです。しかし、"サービス"の価格はどうでしょうか?

教育費、介護費、医療費、リラックスできるカフェの値段、100円のハンバーガーを食べながら10分千円のリラックスマッサージ。

日本経済は成熟経済へと移行し、第三次産業(サービス産業)が大部分を占めるようになった表れでしょう。

そして、人々の価値観が多様化し、サービスの選択の自由も広がり、自分のライフスタイルにあったお金の使い方ができるようになりました。お金をかけるところとかけないところのメリハリがついてきたように思います。

インフレ・デフレの議論はさておき、お金には、たんす預金のようにただ持っているだけでは「価値が下がってしまう」というリスクがあるのです。


資産保全


それでは、お金の価値が変化してしまうことに対して、どのように対処すればよいのでしょうか?

このリスクに対処する能力は、お金を増やす能力とはちょっと違います。

ちなみに、お金を増やす能力(方法)は、下記の三つです。
  ・稼ぐ(収入)
  ・節約する(支出)
  ・増やす(運用)


しかし、その前にまず、資産を安全に持ち続ける(保全)能力こそが、最初に身につけるべきスキルでしょう。

  ・お金を持ち続ける(保全)

この資産保全の方法も、時代と共に変化しています。
一昔前までは、資産三分法といって、「(日本円の)預貯金」「(日本の)株」「(日本の)不動産」の三つに分ける方法でした。

しかしこの方法は、日本の高度経済成長の終焉と経済のグローバル化によって、いまでは成り立たなくなっています

ゼロ金利の時代に、日本円の預貯金では資産が増えることはありません。日本の株式市場が右肩上がりを続けていたのも、高度経済成長時代の話です。土地などの不動産も、バブルの崩壊によって、価格が上がり続けるという神話が崩れ去りました。

特に、昔の資産三分法の大きな問題点は、日本の資産に集中していることにあるでしょう。

現在のキーワードは、やはり「グローバル」だと思います。
資産を日本だけでなく、世界に分散するという考え方です。

資産を安全に持ち続けるためには、リスクを分散する必要があります。


リスク分散の考え方


例えば、かさメーカーとリゾート企業の、二つの会社を考えてみましょう。

晴れの日が続くとリゾート企業が繁盛し、傘の売上が落ち込みます。
逆に、雨の季節は、傘の売上が上がり、リゾート企業は不振となります。
資産分散

天候は晴れの日が多いか、雨の日が多いか予測がつきません。
かさメーカーとリゾート企業の収益は、正反対に働くので、半分ずつ投資することで、確実に毎年12.5%の収益が得られます。

これが分散投資の基本的な考え方です。

この分散の方法には、時間を分散する、資産を分散する、国を分散する、業種を分散、企業を分散する、投資運用会社を分散するなど、さまざまなな手段があります。

「一つのかごにすべての卵を盛るな。」(Don't put all your eggs in one basket.)というのは、投資の世界において、とても有名な言葉です。


今のお金、将来のお金


ところで、お金の役割に「価値を貯蓄する」という手段がありました。

そして、ファイナンシャル教育で身につけるべきリテラシーは、働いて稼いだお金を持ち続け、将来の経済的な安定に変えるために必要なものでした。

これらの知識とスキルと使い、私たちが何をしなければならないかというと、実はすごくシンプルです。

「収入で得たお金のうち、将来使う分を、安全に持ち続ける。」ということです。


お金を色分けしてみよう


それではまず、お金の色分けをしてみましょう。
今もっている資産を、次の4つに色分けしてみましょう。

  1)当面の生活費
  2)使い道の決まっているお金
  3)将来のお金
  4)老後のお金


1)の当面の生活費は、流動性が高い預貯金などの金融商品で持つべきです。

2)の使い道の決まっているお金は、用途によって金融商品を選ぶことができます。
教育資金であれば教育資金用の積み立て商品や学資保険などがありますし、お金を使う日がある程度決まっていれば、それまでの期間で定期預金したりできます。

3)と4)は、将来にわたって資産を保全する必要があります。
そして、老後の資金を増やすための投資をします。


積み立て投資の重要性


思い通りにお金を貯蓄できていますか?
もし"貯金が趣味!"という人は、もうりっぱな投資家かもしれません。

毎月決まった金額を貯蓄に回すのは、言うのは簡単でも実践し続けるのは難しいものです。

「余ったお金を貯金しよう!」という考えでは、お金は溜まりません。人は財布や通帳にあるお金は、使ってしまうものなのです。

いまから貯蓄を始める人(資産形成を始める人)は、まず考え方を変えて、収入から貯蓄分をまず最初に貯金し、残りで生活してみましょう。たとえそれで、借金しなければならないとしても!!

お金を持ち続ける為の一番最初の能力は、「生活費に使ってしまわないこと」です。
これができていないと、次には永遠に進めません。

毎月の積み立てこそは、継続して実践する事で、習慣にすべきです。
これこそが、お金持ちへの第一歩だからです。

そして、給与天引きや自動引き落としの機能は、あなたが努力しなくても、強靭な意志でお金を積み立てなくても、精神的に負けてしまいそうなときでも、必ず積み立ててくれます。

そのときは辛いかもしれませんが、徐々に資産が増えていく事で、喜びに変わってきます。最後には、必ず笑うことができると思います。

自動的にお金持ちになる最初の一歩は、ズバリ「積み立て投資による強制貯蓄です。

さあ、今から毎月いくら積み立てるのか、決めましょう。
ライフデザインシートに目標額を記入してみましょう。
強制貯蓄


長期投資家になろう


投資をするには、ある程度の年月(期間)が必要です。

それは何故かと言うと、長期でないと経済(企業)は成長できないからです。

国、経済、株、不動産、いづれにしても、人々が一所懸命に働き、新しい価値を生み出す事で成長してゆきます。

この成長には、時間が必要となるのです。そして、この成長にお金を預けるという考え方が、本当の意味での投資です。

短期的に儲ける、いわゆる"投機"ではなく、資産を保全しつつ、増やすためのリターンを狙うには、長期で投資する必要があるのです。

ちなみに、1ドルを1925年の12月31日から運用し続けた場合、下記のグラフのようなリターンになります。
長期投資


複利の効果


「数学におけるもっとも偉大な発明は、"複利"である。」とアルバート・アインシュタインが言っています。

それほど、複利の威力は驚くべき効果があります。

下記のグラフは、A子さんとB男くんが、それぞれ毎月2万円の積み立て投資をした場合の例です。
(利回りは、ともに8%を仮定したとします。)

二人とも、60歳まで毎月2万円を積み立てました。二人の違いは、A子さんのほうが8年間早く投資を開始しただけです。
積み立て貯蓄
A子さんの投資金額は合計768万円。それが60歳時には 3,783万円となります。
B男くんの投資金額は合計576万円。それが60歳児には 1,895万円となります。

8年間で投資金額の差は192万円なのに、運用結果の差は 1,888万円になってしまうのです。

ここでも重要となるのが、長期で運用することと、リスクを分散することです。
資産運用において複利の効果を享受するためには、複利の金融商品を上手く利用する必要があります。


アセットアロケーション


資産には、様々な種類のものがあります。それら資産を、同じような値動きをするグループに分類したものを"アセットクラス"といいます。具体的には、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、短期金融商品などを指します。

アセットアロケーションは、これらアセットクラスを組み合わせて、リスクを小さくしリターンを大きくするための資産配分をすることです。

長期運用では、ブレ(リスク)の小さい運用が効率的なのですが、ブレ(リスク)を小さくするためには、異なる値動きの金融商品を組み合わせて分散投資をすることが必要なのです。

過去のデータによれば、「国内債券と海外株式」「国内株式と海外債券」がリターンのブレを少なくする上で効果的だったという結果が出ています。

また、この4つのアセット・クラスすべてを組み合わせる国際分散投資は、ブレを少なくするのにより有効な手法だと考えられています。

アセットアロケーションによってリスクとリターンが決まりますから、長期分散の資産運用では、腕の見せ所となります。


リスク許容度


世の中には、「1円でも投資で損をするのは許せない。」という人もいれば、「多少の損を覚悟するから試算を10%増やす挑戦をしてみたい。」という人もいます。

リスク許容度とは、自分がどの程度までのリスクを許容できるかとうことであり、人それぞれに異なります。

従って、元本確保重視がよいか収益性重視がよいかを議論するのはナンセンスであり、自分のリスク許容度にあったアセットアロケーションを組むことが大切です。

なおリスク許容度は、自分の考え方だけでなく、今の自分の収入状況や家族構成(配偶者の有無)、年齢、ライフプランによって、総合的に判断すべきものです。


ポートフォリオ


ポートフォリオという言葉は、もともとは紙バサミや折りたたみカバンという意味でしたが、企業や個人が保有する証券を紙バサミや折りたたみカバンにはさんで保管していたことから、保有者ごとの資産のことを指すようになりました。

さらに最近では、様々な種類の金融資産の組み合わせといった意味で「ポートフォリオ」という言葉が使われています。

つまり、アセットアロケーションに基づいて購入した具体的な金融商品の集まりのことです。


パレートの法則


パレートの法則、別名、80対20の法則をご存知ですか?

会社で扱っている20%の商品が80%の売り上げを占めている。
世の中の80%の資産を、20%のお金持ちが保有している。
よく使う家電製品の20%が、家電全体の利用時間の80%ある。
優秀な社員の20%が、80%の利益をもたらしている。
etc...

株式市場でも、
優秀な株式の20%が、市場の値上がりの80%を叩き出す。
値上がりした20日間の値上がり率が、値上がり率の80%を占める。
など、80対20の法則に近い結果が得られることがあります。

この法則から学ぶべきことはなんでしょうか?
20%の優秀な株式を買うことでしょうか?
それとも値上がりする20日に買い注文を入れることでしょうか?

でもこれは、非常に難しいことです。

実は、全く考え方を逆にしたほうが良いのです。
20%の株式を外さないように、多くの銘柄に分散投資する。
20%の値上がり日を外さないように、市場に参加し続ける長期投資をする。

そうです。
長期分散投資こそが、コースを外れないための実証されたガイドラインなのです。


あなたの時間を投資する


長期分散投資のポートフォリオを組むと、資産運用に手間暇をかけずに済むようになります。最初に一度しかりと設計してしまえば、その後は年に一回か二回リバランスを考える程度でよいのです。回転売買をしないことが、長期分散運用で勝つためのコツです。

そして、あなたの大切な時間は、もっともっと好きなことや楽しいことに時間を使うべきだとおもいます。

資産運用には、あなたの時間を使うのではなく、あなたの資産の時間を使いましょう!

あなた自身は、資産運用で頭を悩ますよりも、もっともっと大切なことに時間を使ったほうがいいと思うのです。


投資哲学


投資のための普遍的6原則を紹介します。

1.長期に投資すること
長期にわたる投資、それこそが過去の実績が教えてくれる最善の投資手法といえます。それは、株式の持つリスクを軽減すると共に、期待できる収益の拡大が見込める手法だからです。

2.定時定額で投資すること
株式市場に定期的に一定額を投資する定時定額の投資手法は、市場の下がったときには株式を安く買え、上がったときにも高い株式を買いすぎないということを意味しています。定時定額による投資は、市場下落の損失からの保護や一定の収益を確保するものではありませんが、投資に関する専門家達が支持する有効な投資手法です。

3.投資のタイミングを計らないこと
とにかく市場に参加し続けること。
これが収益チャンスを逃さない一番の方法です。
自分の経済状態を考えながら、株価が下がった時こそ投資を増やすくらいの気持ちを持ちましょう。投資になれた人たちは、株価が下がって安くなったときこそ株式の買い増しの機会だと考えているのです。下のグラフからも分かるように、過去10年間で僅か5日間とか10日間だけ株式市場から遠ざかっていただけで、大きな収益チャンスを逃すことにもなりかねません。

4.投資を分散すること
分散投資するということは、様々な市場の異なる値動きをする証券に資産を分散するということです。この手法は、投資価格のぶれ(リスク)を縮小させる効果がありますが、一方で個人で分散するには、投資に関する専門的な知識が必要になるほか、情報収集や運用、売買にかかる手数料などコストが高くなる可能性もあります。まずはキャッシュの持ち方から分散させ、資産形成が出来てきたら投資の分散を検討しましょう。

5.信頼できるアドバイザーに相談すること
人生のライフステージによってニーズや目標は変化していくものであり、それに合わせて資産形成・資産運用を見直していくことが成功する秘訣です。信頼して、末永く相談できるアドバイザーやパーソナルコーチの存在は、目標達成の大きな手助けとなるでしょう。
金融相商品の販売員はマックの店員と変わりません。その人の収入は、商品の中に含まれています。一方で、ライフプラン作成でサービス料を受け取ったり、毎月のコーチングフィーで働く人は、仕事の成果が全てです。どちらが真剣に対応してくれるか、お分かりですね?

最初に一番大変な資産形成においては、毎月決まった金額を貯蓄し続けることが大切です。この段階では金融商品を購入することよりも、必ず貯蓄することが何よりも必要なことです。金融商品のアドバイスよりも、目標達成のためのコーチングのほうが効果が高いでしょう。


最後に


「バランスシート」「年間収支表」「キャッシュフロー表」によって家計の現状と将来予測を把握し、夢計画である「ライブイベント」を叶えるためのライフプランを作成しました。

そして、ライフプランニングの一つである資産運用をテーマに、ファイナンス目標とそれを実践するための考え方を学んできました。

ライフプランは、生き方を反映したものであり、人それぞれの考え方や価値観、哲学などにも影響を受けるものです。それゆえ、正解などありません。

大切なのは、自分自身で考え、実行し、納得した人生を送ることだと思います。

恐れることなく、最初の一歩を踏み出しましょう。


最後に、ゲーテの言葉を紹介します。

「自分にはできる、あるいはできるようになりたいと思ったら、
 ともかくはじめること。大胆さが才能を生み、力を生み、魔法を生む。」


おめでとうございます!!


ライフプラン講座は終了です。

どうもありがとうございました。

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